名人戦

第74期名人戦七番勝負第4局

羽生善治名人に佐藤天彦八段が挑戦している第74期名人戦七番勝負。
第3局は76手で佐藤八段の勝ちとなりました。
シリーズ成績を2勝1敗とし、一歩リードです。

では、第3局を振り返りましょう。

第74期名人戦七番勝負第3局-1

第3局は羽生名人の先手番です。
佐藤八段が誘導する横歩取りに、変化することなく▲3四飛と横歩を取りました。
図の▲6八玉が最近では珍しく見える玉の位置で、よく指されているのは▲5八玉です。
▲6八玉型といえば、中原誠十六世名人が内藤國雄九段との対局で採用したイメージがあります。当時の横歩取りは後手が1筋の位を取るのが主流でした。現代では銀の動きを急ぐのがよく見られる指し方で、時代とともに少しずつ変わっていますね。

 

第74期名人戦七番勝負第3局-2

後手の△2三銀型は銀頭が弱く、飛車の横利きを通して守っています。それを承知で佐藤八段は△7四歩と横利きを止めました。
その手に対して77分の考慮時間を使った羽生名人は、▲2四歩と銀頭を叩きます。
お互いの読みがぶつかり合い、盤上では火花が散っているかのようです。

 

第74期名人戦七番勝負第3局-3

 
局後のインタビューによると佐藤八段はこの辺りについてだいぶ迷われていたようで、129分の長考で△5四飛と回りました。▲6八玉型は5七の地点が弱く、左右の桂馬を4五桂、6五桂と跳ねていくのが後手の理想形です。
対する羽生名人も97分の長考で返し、選んだ指し手は▲5八玉でした。6八銀の応援を用意し中央に備えようという手ですが、序盤の▲6八玉が無駄になってしまうのが辛いところ。
それでも臨機応変に指せるのが羽生名人の強さといえそうです。

 

第74期名人戦七番勝負第3局-4

前図の△5四飛から▲5八玉と進んだ局面で、佐藤八段は88分の考慮時間で△2七歩と垂らしました。
この辺りは横歩取りの勝負所で、持ち時間各9時間の名人戦ならではの濃厚な読み合いになっています。その間に読まれた膨大な手がどんなものであったか、とても興味があります。
うちのソフトはこの△2七歩で後手良しの評価を出しはじめました。

 

第74期名人戦七番勝負第3局-5

△2七歩~△2八歩と歩を巧みに使い、と金を作ることに成功した佐藤八段。先手がじっとしていると、このと金を使って一方的に駒得をすることができます。
じっとできない羽生名人は▲5六歩から大駒の総交換を挑みますが、互角のさばき合いでは「と金」の分だけ後手の得が残るわけで、先手芳しくありません。
こうなってみると△2七歩からと金づくりを狙った手が生きており、ソフトがその手で後手良しと評価したこともうなづけます。
以下、難しいところもあった終盤戦を乗り切った佐藤八段の勝ちとなりました。

次局の先手番は佐藤八段です。
ここは得意の角換わりを目指すのが大本命ですね。
第4局を落としてしまうと後がない羽生名人の作戦選択が注目です。
戦型予想は角換わり腰掛け銀としてみます。
 
 
第74期名人戦七番勝負第4局
羽生善治(はぶ・よしはる)名人 対 佐藤天彦(さとう・あまひこ)八段
2016年5月25・26日(水・木)
9:00~
<福寿会館>広島県福山市丸之内1-8-9
立会:井上慶太(いのうえ・けいた)九段
朝日副立会:久保利明(くぼ・としあき)九段
毎日副立会:糸谷哲郎(いとだに・てつろう)八段

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第74期名人戦七番勝負 第4局 初日 羽生善治名人 vs 佐藤天彦八段
解説:加藤一二三(かとう・ひふみ)九段
聞き手:貞升南(さだます・みなみ)女流初段

第74期名人戦七番勝負 第4局 2日目 羽生善治名人 vs 佐藤天彦八段
解説:森下卓(もりした・たく)九段
聞き手:藤田綾(ふじた・あや)女流初段

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