将棋日本シリーズ

JTプロ公式戦 決勝戦

10月24日(土)に大阪府で行われた、JTプロ公式戦準決勝第二局。
147手で深浦九段の勝ちとなりました。

では、第二局を振り返りましょう。

2015JTプロ公式戦準決勝第二局-1

振り駒の結果、深浦九段の先手番となりました。
豊島七段は4手目△9四歩と突き一手損角換わり模様に構えましたが、▲7八金を見て角交換四間飛車へシフトチェンジしました。
この作戦選択を「まさか」と思った深浦九段。
たしかに居飛車が中心の豊島七段ですから、そう思うのも無理はありません。

 

2015JTプロ公式戦準決勝第二局-2

ここで封じ手になりました。
個人的には久保九段の▲5六銀かなと思いましたが。深浦九段の選択は▲3六歩。
角交換四間飛車の狙いの一つに千日手があるので、一歩持って攻めの幅を広げたいという考えでしょう。
このあと、先手後手ともに、右側にある攻めの銀が玉にくっついていきます。

 

2015JTプロ公式戦準決勝第二局-3

 
金銀4枚が半分より左に集まり、どうやって攻めるかと悩ましい局面。
後手は△2五角成もありますが、△4八歩~△3六角成が局後の深浦九段に「いい手でした」といわしめた好手段。
後手玉をにらんでいる4六の角を質駒にしていて、その角を逃がす場所も難しいです。

 

2015JTプロ公式戦準決勝第二局-4

ここでは香得で馬も働いているので、龍を作られても後手がやや指しやすい局面です。
ところが、ソフトの評価値はここで互角に戻りました。
豊島七段は「△6五歩では△5五銀でしたかね」と、おっしゃっており、歩を後に残すほうが良かったようです。ちなみにソフトは△6四香を指摘しており、ほぼ同義ですね。

 

2015JTプロ公式戦準決勝第二局-5

後手が駒得をしていて、玉も堅いので後手良しかと思いきや、▲4二歩で大駒の働きを止められてしまったので、ここでは先手が良くなっています。
深浦九段や解説の久保九段も、この▲4二歩で先手が良くなったという旨を話されています。
うちのソフトはこれをすぐには感知できず、しばらくしてから先手良しの評価を出しました。この辺りは違いがくっきり出て面白いところです。

 
意表の作戦にも臨機応変に応じた深浦九段は、次局東京都で決勝戦を迎えます。

勝者コメントと棋譜はこちらから。
「準決勝第二局 大阪大会」勝者・深浦九段のコメントを掲載!

決勝は、深浦九段と三浦九段となりました。
どちらが勝っても、初優勝となります。
居飛車党同士ですので、戦型は角換わりが最有力。
三浦九段が後手の場合は横歩取りもありそうです。
 
 
将棋日本シリーズ 東京大会 JTプロ公式戦 決勝戦
深浦康市(ふかうら・こういち)九段 対 三浦弘行(みうら・ひろゆき)九段
2015年11月15日(日)
16:15 開演予定
<東京ビッグサイト 東4・5ホール>東京都江東区有明3-11-1
解説:森下卓(もりした・たく)九段
聞き手:山田久美(やまだ・くみ)女流四段
読み上げ:真田彩子(さなだ・あやこ)女流二段

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