加藤桃子女流王座に里見香奈女流四冠が挑戦している第6期女流王座戦五番勝負。
第1局は106手で里見女流四冠の勝ちとなりました。
では、第1局を振り返りましょう。
振り駒の結果、加藤女流王座の先手番となりました。
戦型は、里見女流四冠のゴキゲン中飛車に、加藤女流王座の居飛車になりました。
この局面は手順が違いますが定跡手順です。
そして、ここまでお互いにノータイムでビシビシと進めていることから、研究の深い形なのでしょう。新研究がどこで出るかが楽しみです。
図から▲5五歩と飛車を取りに行く将棋になります。
後手は飛車を取らせる代わりに、△5七角から馬を作りにいきました。
対する加藤女流王座は▲6六銀~▲3七銀と受け、「難しいながらも、ちょっと指せるのかなと」思っていたそうです。
ちなみにうちのソフトはその2手辺りで後手良しに評価が傾いています。続く△4七馬では△6四馬の方が良いという評価で、この辺りは判断が難しい局面といえます。
後手は3四の角を追うために△4五銀と打ち、その銀を△4六銀と活用していきます。
図の△4六銀に変えて△5六銀は「▲5八金とされたときが分かりませんでした」と里見女流四冠。本譜は△4六銀に対しても▲5八金でしたが、△3七銀成と駒得をしながら手番を握って、後手好調です。それならば△4六銀に▲5八金ではないほうが良い理屈ですが、感想戦によると▲5二とでも後手良しとなったそうです。
前図で桂馬を手に入れた後手は△7六桂と決めに出ます。受けるために6六にいた銀を▲7七銀と引きましたが、続く△7五角で「両者の見解はすでに後手良し」とのことでした。
直前まで打てなかった角なので、うっかりしやすい手ですね。3一の飛車と5七の銀を狙っています。5七の銀は数手前に打ったもので、それを歩に変えていればとても難しい将棋だったといいます。以下、玉頭戦を制した里見女流四冠の勝ちとなりました。
初戦を中飛車で飾った里見女流四冠。最近は振り飛車の採用率が高いそうです。
加藤女流王座は居飛車が中心なので、戦型は次局も対抗形になりそうです。
第6期女流王座戦五番勝負 第2局
加藤桃子(かとう・ももこ)女流王座 対 里見香奈(さとみ・かな)女流四冠
2016年11月3日(木・祝)
<芝苑>大阪府大阪市北区西天満4-9-16
立会:淡路仁茂(あわじ・ひとしげ)九段
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