菅井竜也六段と大橋貴洸三段が争う第46期新人王戦三番勝負。
第1局は86手で大橋三段の勝ちとなりました。
新人王まであと1勝です。
では、第1局を振り返りましょう。
振り駒の結果、菅井六段の先手となりました。
大橋三段の2手目△8四歩に対して、▲5六歩と中飛車模様に構えました。
そこで多いのは△8五歩~△5四歩と位を取らせない指し方や、△3四歩と角道を開けて先手に5筋の位を取らせる指し方です。
4手目△6二銀は最近流行りの作戦であるそうで、私は初めて見ました。
今後の構想が楽しみです。
大橋三段の構想は、△1三角~△4五銀で、先手に▲4六歩を突かせないものでした。
この△4五銀に8分使った以外はノータイムの大橋三段。
ここまで研究手順であることは明白ですね。
確かにこの局面になると、動かす駒が難しいです。
菅井六段は▲6八角とぶつけ、局面を動かしに行きました。
前図で角交換した大橋三段は、再度△2四角と手放しました。
この将棋では、▲4六歩を突かせないことが急所のようです。
結果として、歩越し金の悪形ができたので、バランスは取れているようです。
先手は3筋から、後手は8筋から攻め合います。
感想戦ではこの辺りを中心に検討されたようで、ソフトの形勢判断もこの辺りから傾いていきました。
後手の△2四金では△4五金もあり、示された変化手順は角桂しかない後手が受けづらそうでしたが、先手も3枚の攻めなのでギリギリ。
ソフトの評価は後手良しでしたが、人間ですと後手をもって怖くて指しにくい変化です。
△2四金に対して検討されたのは、▲8三歩~▲5五銀~▲6一角の筋で、詳しい変化手順は棋譜中継に譲りますが、本譜に比べると寄せ合いになるので先手にもチャンスの出そうな局面となります。
以下、▲3八飛と引いた手が菅井六段の悔やんだ手で、駒得を重ね穴熊を攻略した大橋三段が押し切りました。
奨励会員が先勝するのは、史上初です。
このままの勢いで新人王を獲得するのか、それとも菅井六段が最後の新人王戦で有終の美を飾るのか、次局も注目です。
第46期新人王戦三番勝負第2局
菅井竜也(すがい・たつや)六段 対 大橋貴洸(おおはし・たかひろ)三段
2015年10月14日(水)
10:00~
<関西将棋会館>大阪府大阪市福島区福島6-3-11
立会:山崎隆之(やまさき・たかゆき)八段
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