新人王戦

第46期新人王は菅井竜也六段!

菅井竜也六段と大橋貴洸三段が争う、第46期新人王戦三番勝負。
第3局は136手で菅井六段の勝ちとなりました。
シリーズ成績を2勝1敗とし、菅井六段が初の新人王に輝きました。

では、第3局を振り返りましょう。

第46期新人王戦決勝三番勝負第3局-1

第3局は改めて振り駒が行われ、大橋三段の先手番となりました。
菅井六段は第2局と同様に四間飛車穴熊模様に。
対する大橋三段も前局と似たように▲6六銀型に構え、▲5五歩と位を取る指し方に出ました。負担になりやすい指し方ですが、大橋三段の時間の使い方から、研究範囲と見て良いでしょう。

 

第46期新人王戦決勝三番勝負第3局-2

菅井六段も△4四飛と研究手が飛び出します。
角の利きに移動して奇異に見えますが、▲5四歩に△同飛と取り、角交換から△3九角の筋で対応しようという意味です。
場合によっては△3五歩から石田流の構えもありそうです。
四間飛車穴熊といえば広瀬八段ですが、菅井六段の指し方も違う味があって良いですね。

 

第46期新人王戦決勝三番勝負第3局-3

7筋と5筋から小競り合いが始まり、角の利きに△2四飛と回った局面。
先手の右銀が離れているので、大駒交換は後手に分がありそうです。
ゆえに▲2六歩と利きをさえぎりました。
「かなり悪いように思っていました」という菅井六段の感想があり、うちのソフトもそれを感知できたようです。

 

第46期新人王戦決勝三番勝負第3局-4

成れる場所に持駒の飛車を打った大橋三段。
普通であれば効率が悪いと考えない手ですね。
これは△3五角上を警戒した手で、△7七歩のたたきが入るのがミソ。戦いが起こる前に突き捨てを入れておいたのがここで利いています。
しかし、ここでは平凡に▲3二飛成が良かったそうで、狙いの△3五角上には▲6九金とかわして、難しいながら大丈夫そうです。

 

第46期新人王戦決勝三番勝負第3局-5

相穴熊らしいはがし合いの終盤戦。
▲7三香もはがす方針に沿った攻めに見えましたが、残念ながらこれが敗着となってしまいました。
「もう1歩あればという局面が続きました」という菅井六段の感想があり、つまり、1歩欲しいところに香車が手に入るので、これがどうだったかというわけですね。
これを角で取るのがポイントで、守りには金銀を残すのがセオリーです。
角香交換ながら、「終盤は駒の損得より速度」を地で行く△8八香がスピードアップの捨て駒でした。
以下、9七への捨て駒から詰将棋でよく見る詰み筋で収束に向かいました。

 
六段昇段で最後の新人王戦になった菅井六段が、有終の美を飾りました。
若松七段・井上九段に続く3世代の新人王獲得となり、こちらも歴史に残る記録ですね。

菅井六段、新人王獲得おめでとうございます!

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