女流名人戦

第43期女流名人戦五番勝負第2局

里見香奈女流名人に上田初美女流三段が挑戦している第43期女流名人戦五番勝負。
第1局は101手で上田女流三段の勝ちとなりました。

では、第1局を振り返りましょう。

第43期女流名人戦五番勝負第1局-1

振り駒の結果、上田女流三段の先手番となりました。
3手目▲2六歩と居飛車を明示した手に対して、里見女流名人はゴキゲン中飛車を選択しました。
同時進行している王将戦では超速▲3七銀に対して△3二銀型でしたが、本局は△4二銀型でした。これは女流王座戦でも指されており、里見女流名人得意の形です。
本譜のように進行するとどちらでも一緒になりますが、違いについて一度お伺いしてみたいです。

 

第43期女流名人戦五番勝負第1局-2

36手目までは前例があり、そのうちの一局には里見女流名人の名前があります。
その前例は37手目に▲9六歩と飛車を狙っていきましたが、▲2四歩と飛車先の交換をしたのが上田女流三段の新手。一歩手持ちにすることで、3三の桂頭を狙う筋が生まれました。
後手は△5四歩から飛車の形を直して、桂頭攻めを強く迎え撃ちます。

 

第43期女流名人戦五番勝負第1局-3

桂頭攻めで▲銀桂△角の2枚換えに成功し、先手が駒得になりました。しかし、玉が薄いので形勢は微妙です。
後手がどこに代償を求めるかですが、手持ちにした角を△1四角と据えました。△4七角成を狙っています。
それを受けるべく▲5八金と上がった上田女流三段でしたが、将来△5七歩の筋が生じてしまったので一長一短です。控室の検討でも上がっていましたが▲2五銀と角を取りにいく筋がありました。駒の損得を重視するならこちらですが、この後先手先手と手番を握られながら攻められてしまいます。玉の薄いことも踏まえると相当先の見通しが立たないと指しづらい手ですね。

 

第43期女流名人戦五番勝負第1局-4

前図で▲2五銀と角を取る手段もありましたが、本譜の▲3三歩成~▲4二銀も駒得が見込めて、先手好調です。
ここでは一回△2一飛と逃げて、▲3三銀成と遊び駒の金を取らせて手番を握る指し方もありました。
本譜は「両取り逃げるべからず」の格言に則り、里見女流名人は△3七歩成から攻め合いを選択。上田女流三段も遊び駒の金を相手にせず▲5四桂と攻め合って激しくなりました。この攻め合いは駒得になった先手に分があったようです。

 

第43期女流名人戦五番勝負第1局-5

本局のハイライトはこちらの図ですね。△8五桂が「こんなに厳しいとは思っていなかった」という上田女流三段でしたが、▲5一角の妙手を発見しました。▲6二角成からの詰めろなので受けることになりますが、△同金は▲同成銀で寄せ合い勝ち。△同角なら7九の飛車が抜けるという仕組みです。里見女流名人も「▲5一角と打たれてからは難しい変化がなくなってしまった」とおっしゃるように、ぴったり決まったようです。

 

挑戦者の先勝して、シリーズが面白くなりそうです。
おそらくこのまま対抗形のシリーズになると思われますので、次局の戦型予想は里見女流名人の中飛車としてみます。
 
 
第43期女流名人戦五番勝負第2局
里見香奈(さとみ・かな)女流名人 対 上田初美(うえだ・はつみ)女流三段
2017年1月22日(日)
<出雲文化伝承館>島根県出雲市浜町520
立会・解説:畠山鎮(はたけやま・まもる)七段
記録係:山口絵美菜(やまぐち・えみな)女流1級
聞き手:村田智穂(むらた・ちほ)女流二段

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