女流名人戦

第41期女流名人戦五番勝負第3局

里見香奈女流名人に清水市代女流六段が挑戦している第41期女流名人戦五番勝負。
第2局は120手で里見女流名人の勝ちとなりました。
シリーズ成績を2連勝とし防衛まであと1勝としました。

では、第2局を振り返りましょう。

第41期女流名人戦五番勝負第2局-1

 
第2局は清水女流六段の先手。初手▲2六歩と居飛車宣言です。
対する里見女流名人は、4→3戦法を選択しました。
図の少し前に指された▲4六歩が少数派のとのことで、13手目の▲5八金右で前例が1局のみ。
用意の手順があることが伺えます。

第41期女流名人戦五番勝負第2局-2

 
清水女流六段は天守閣美濃に構え、▲3八飛と石田流対策によく見られる攻めの形を作りました。
ただ、一つ違うのが2筋の歩の位置。
ここで△2四飛と揺さぶる手がありましたが、里見女流名人は見送りました。

第41期女流名人戦五番勝負第2局-3

あまり自信のある展開ではないという感想を残した里見女流名人。
△4三歩と打たせて居飛車満足のようですが、ここで意外と手がなかったのが清水女流六段の誤算だったそうです。
振り飛車党によると、ここに歩を打つのが「しっかりした受け」と感じる、と聞いたことがあり、なるほどなぁと思ったことがあります。

第41期女流名人戦五番勝負第2局-4

位の歩を軽く突き出し、手を作ろうとした清水女流六段。
ところが、これを△同飛と取られて誤算に気が付いたそうです。
その局面で▲4五歩が利くと思っていたそうですが、平凡に△同銀があり、先手芳しくありません。

第41期女流名人戦五番勝負第2局-5

代償のない一歩損はやはり痛く、先手が苦しい形勢に。
2筋の歩を伸ばされ、動かざるを得ず、銀損で龍を作りに行きました。
受けを間違うと怪しくなりますが、△3七角が攻防の一手。△5五角成を見せて、相手の攻めをけん制しています。
続く△6二角が先手の攻めを防いでおり、さすがの清水女流六段も「ここからはダメ」。
受けに使いづらい角による好手2連発でした。

手厚い指し回しで2連勝を決めた里見女流名人。
優勢になってからは、完勝とも呼べる内容で、さすがの切れ味ですね。
カド番に追い込まれた清水女流六段の巻き返しに期待しましょう!

第41期女流名人位戦五番勝負第3局
里見香奈(さとみ・かな)女流名人 対 清水市代(しみず・いちよ)女流六段
2015年2月8日(日)
9:00~
<湯原国際観光ホテル 菊之湯>岡山県真庭市湯原温泉16
立会:福崎文吾(ふくさき・ぶんご)九段
聞き手:村田智穂(むらた・ちほ)女流二段
記録係:長谷川優貴(はせがわ・ゆうき)女流二段

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