女流名人戦

第41期女流名人戦五番勝負第2局

里見香奈女流名人に清水市代女流六段が挑戦している第41期女流名人戦五番勝負。
第1局は119手で里見女流名人の勝ちとなりました。

では、第1局を振り返りましょう。

第41期女流名人戦五番勝負第1局-1

 
振り駒の結果、里見女流名人の先手になりました。
2手目△8四歩なら中飛車が予定とのこと。
前田流と呼ばれる、先手から角交換をして5筋の歩を交換する指し方を採りました。
対する清水女流六段は、位取りを選択。
手得を生かす自然な発想と感じます。

第41期女流名人戦五番勝負第1局-2

 
先手は早い段階で駒組みが頂点に達します。
ここからどうするか?
里見女流名人の選択は▲5七銀。
立て直すのかと思いきや……

第41期女流名人戦五番勝負第1局-3

引いた銀を、また▲6六銀と上がりました。
そして、上の図と比べていただけるとお分かりでしょうが、先手陣は全く変わっていません。
つまり、後手に△5六歩と△9二角を指させているのです。
これで形勢に差がついたわけではないというのですから、将棋の難しさを感じます。
ただ、図の▲8九飛の局面は自信がないと里見女流名人の感想があります。

第41期女流名人戦五番勝負第1局-4

 
解説を読む前に棋譜を並べていて一番印象に残ったのは、この▲4七歩。
善悪は分かりませんが、将棋はこう指すものか、と、うなりました。
△9二角の利きを弱める手堅い一手です。
ところが、これを打たずにいきなり▲6一角から行ってよかったそうです。

第41期女流名人戦五番勝負第1局-5

このあたりで千日手の変化があり、里見女流名人はそれもやむなし、という心境だったそうです。
しかし、清水女流六段は打開して△1二香。
次に△1一飛と端に数を足す、基本に忠実な一手に見えましたが、残念ながらこれが敗着。
馬の利きを通しながら攻めを催促する▲2六歩が上手く、後の変化で▲1二香成が生じて、香上がりをとがめています。
以下、里見女流名人が手厚く指して、清水女流六段を投了に追い込みました。

1月から女流棋戦に復帰した里見女流名人でしたが、素人目には全然ブランクを感じさせない内容に見えます。
第2局以降も楽しみですね。

第41期女流名人位戦五番勝負第2局
里見香奈(さとみ・かな)女流名人 対 清水市代(しみず・いちよ)女流六段
2015年1月25日(日)
9:00~
<関根名人記念館>千葉県野田市東宝珠花237-1
立会:塚田泰明(つかだ・やすあき)九段
解説:高見泰地(たかみ・たいち)五段
聞き手:熊倉紫野(くまくら・しの)女流初段

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