森内俊之竜王に糸谷哲郎七段が挑戦している第27期竜王戦七番勝負。
第4局は134手で糸谷七段が勝ちました。
シリーズ成績を3勝1敗とし、タイトル奪取まであと1勝となりました。
では、第4局を振り返りましょう。
3手目▲6六歩と、今までとは趣の違う形に。
定跡形ではなく、力で勝負しようという意図が感じられたのは私だけでしょうか。
対する糸谷七段は、中飛車へ。
中飛車と言えば、豊島七段が王座戦で快勝したのが記憶に新しいところですね。
4手前に△7四飛と回った飛車を、5筋に戻した局面。
「何をやっているかわからない」と、ぼやく糸谷七段の気持ちもわかるというものです。
ここで▲9八香と穴熊に組み替えたのが、現代将棋ならではの考え方。
玉を堅く、というよりは、戦場から遠くなることで、強く戦おうというものです。
ところが、ここでは▲3七桂と遊び駒を活用する手が勝ったとのことです。
確かに、最後まで右桂が残っていました。
穴熊の遠さを生かし、攻めに出た森内竜王。
形勢は先手有利になりました。
そこで飛び出た勝負手が△5六歩。
角を見捨てて中央突破しようというものです。
それに対して、森内竜王も強く▲3五飛と角を取りました。
糸谷七段の勝負手にうまく対応した森内竜王。
ここで8六から飛び出した▲6四角が上手い活用に見えて、どうも良くなかったようです。
というのも、後手からは次に△6八龍から詰めろが続く形です。
ということは、この局面で先手は詰めろ以上の速度で寄せ切れれば勝ちなのですが、それが難しいのです。
さらに1分将棋ということもあり、さすがの竜王でも寄せ切れませんでした。
逆転勝ちで3勝目を挙げた糸谷七段。
初戴冠に王手をかけました。
次局は先手番。
ここで決めたいと思うのが自然でしょうか。
森内竜王としては、まず次を勝ち、流れを変えたいところ。
ぜひフルセットまで行ってほしいと願っています。
第27期竜王戦七番勝負第5局
森内俊之(もりうち・としゆき)竜王 対 糸谷哲郎(いとだに・てつろう)七段
2014年12月3・4日(水・木)
9:00~
<かなや 青巒荘>石川県金沢市湯涌町イ56
立会:中村修(なかむら・おさむ)九段
解説:富岡英作(とみおか・えいさく)八段
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第27期竜王戦 七番勝負 第5局初日 森内俊之 竜王 vs 糸谷哲郎 七段