棋王戦

第40期棋王戦五番勝負第3局

渡辺明棋王に羽生善治名人が挑戦している第40期棋王戦五番勝負。
第2局は96手で渡辺棋王の勝ちとなりました。
渡辺棋王がシリーズ成績を2連勝とし、防衛に王手をかけました。

では、第2局を振り返りましょう。

第40期棋王戦五番勝負第2局-1

 
第2局は、羽生名人の先手です。
渡辺棋王の2手目△8四歩に対して、羽生名人は矢倉を目指しました。
最近は角換わりが多い印象があります。
と、いうのも、矢倉の先手番では、ある手の対策が必須だからです。

第40期棋王戦五番勝負第2局-2

 
「反発するのが流行なので」と、渡辺棋王がおっしゃるとおり、▲4六銀に対して△4五歩とするのが最近の流行です。
羽生名人は▲1六歩と△8五歩を交換してから▲4六銀と出る工夫をしています。
これがどうなるか?

第40期棋王戦五番勝負第2局-3

手損してまで作った争点の4筋で、小競り合いが始まりました。
その戦いで香損覚悟で突っ込んだ羽生名人。
タブレット記録された棋譜を見ると、この▲4五同銀はノータイムでした。
明らかに研究してきました、という指し口に、渡辺棋王も「自分の知らない定跡にはまったかとも思いましたが」と、びっくりされたようです。

第40期棋王戦五番勝負第2局-4

 
銀の割り打ち、と、言えば、銀の使い方として教科書に出てきます。
アマチュアならノータイムで打ちそうですね。
ただ、銀を渡すデメリットを踏まえて打たなくてはいけません。
ここもそんな局面で、羽生名人によると、打たなかったほうが良かったそうです。

第40期棋王戦五番勝負第2局-5

派手に大駒交換が行われ、寄せ合いの終盤戦です。
ここも銀の上手い使い方として教科書に出て来そうな手。しかし、取り合ってみると▲角△金銀香の3枚換えで後手の駒得です。手持ちの飛車も大きく、このあたりははっきり後手良し。
代わりにどうするか、というのも難しいところで、▲5三銀に代えて、▲4四金△同飛▲3一金△同玉▲5三角と王手飛車をかけるのはどうか、というのはソフトの案です。
ただ、これで先手が良くなるというものではありません。

渡辺棋王が連勝で防衛に王手をかけました。
気がかりなのは、羽生名人が大きなくしゃみをしていたこと、そして、第1・2局とも名人らしくない内容という印象を受けたこと。
第3局まで時間がありますので、巻き返しを期待したいです。

第40期棋王戦五番勝負第3局
渡辺明(わたなべ・あきら)棋王 対 羽生善治(はぶ・よしはる)名人
2015年3月8日(日)
9:00~
<岬ひとひら>新潟県柏崎市番神2-10-39
立会:藤井猛(ふじい・たけし)九段
解説:豊川孝弘(とよかわ・たかひろ)七段
聞き手:鈴木環那(すずき・かんな)女流二段

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第40期棋王戦 五番勝負 第3局 渡辺明棋王 vs 羽生善治名人
解説:深浦康市(ふかうら・こういち)九段
聞き手:藤田綾(ふじた・あや)女流初段

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