竜王戦

羽生善治棋聖が竜王を奪取!

渡辺明竜王に羽生善治棋聖が挑戦していた第30期竜王戦七番勝負。
第5局は87手で羽生棋聖の勝ちとなりました。
シリーズ成績を4勝1敗とし、竜王奪取です。

では、第5局を振り返りましょう。

 
第30期竜王戦七番勝負第5局-1

第5局は羽生棋聖の先手番です。渡辺竜王の2手目△8四歩に▲2六歩から角換わりを目指しました。
△9四歩と突かないのが渡辺竜王の工夫で、その一手を中央に回そうという構想だったそうです。
そこでガツンと▲4五銀。羽生棋聖がやってみたかった手とのことです。部分的には前例のある仕掛けで、▲5八金を▲4八金に変え▲2九飛と△9四歩が入っているとNHK杯の▲千田△藤井聡戦と同一になります。

 

 
第30期竜王戦七番勝負第5局-2

前述のNHK杯で後手だったの藤井聡太四段は、▲2五桂に対して△2二銀~△4二玉と対応しています。本譜の渡辺竜王は△4二銀と引き、4筋の厚みを重視しました。
それなら1・2筋が弱いので、そこを攻める▲1五歩が自然な発想ですね。後手に馬を作られましたが、それを質駒にした▲4九飛が「回られるまで気がつかなかった(渡辺竜王)」と言わしめた上手い対応。
△1五歩と取られたところで、▲4六飛から羽生棋聖の火を噴くような攻めが始まります。

 

 
第30期竜王戦七番勝負第5局-3

後手に飛車を渡したので、厳しい反撃が予想されるところ。渡辺竜王も龍を作り反撃に出ました。
そこで持ち駒の銀を▲6八銀と打ったのが好手段。感想戦によると▲6八銀を入れないと△8六飛~△8七歩が気になったと羽生棋聖はおっしゃっています。ここで持ち駒を1枚投入しても持っている角2枚と盤上の駒が目いっぱいに働いているので、攻めには事欠きません。
羽生棋聖の視野の広さと卓越した大局観を感じる組み立てです。

 

 
第30期竜王戦七番勝負第5局-4

前図の▲6八銀に龍の逃げ場も難しいところ。水面下の変化で▲4五角がちらつくからです。
実戦は△4八龍と逃げ、羽生棋聖は▲5七角から端を破りました。
△2二金打に対するここからの3手が羽生棋聖らしい組み立て。
▲1五香△1三金▲6七角。
取られそうな香車を使いつつ手番を握る▲1五香もなるほどの手ですが、△1三金の瞬間にすぐに取り返さず▲6七角を利かすのはなかなか思い浮かばない発想です。

 

第30期竜王戦七番勝負第5局-5

先手勝勢の終盤戦です。渡辺竜王が怪しく△6九角と打ち、先手に手を渡しました。厳密には詰めろではないので▲4四桂くらいで勝ちですが、そこは人間同士の戦い、もっと安全に、という心理が働きます。それを満たす手段が▲8四香でした。
飛車のタテ利きを止めつつ飛車取りで、なおかつ詰めろになっています。
実戦は△同飛と取り、▲4二と以下詰まして終局となりました。

 
羽生新竜王は今回の奪取で通算7期目となり、永世竜王の資格を得ました。
これで7大タイトル時代の永世称号をすべて達成したことになります。
あまりの偉業過ぎて、どう表現していいかわかりません。

羽生善治新竜王、タイトル奪取並びに永世七冠達成おめでとうございます!

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