竜王戦

第27期竜王戦七番勝負第2局

森内俊之竜王に糸谷哲郎七段が挑戦している第27期竜王戦七番勝負。
第1局は133手で糸谷七段が勝ちました。
タイトル戦初登場での初勝利です。

では、第1局を振り返りましょう。

第27期竜王戦七番勝負第1局-1

 
振り駒の結果、糸谷七段の先手になりました。
糸谷七段と言えば、角換わり。
森内竜王の2手目△8四歩に▲2六歩と突き、角換わりを目指しました。
先手の3八にいる銀の形を決めなかったのが、珍しい工夫です。

第27期竜王戦七番勝負第1局-2

序盤の違いはありましたが、巡り巡って定跡形に合流しました。
今、▲2八飛と4八にいた飛車を戻ったところ。
この手を藤井九段が大絶賛していました。
相手の研究を見て、なおかつそれを外す駆け引きが素晴らしいとのこと。
序盤感覚に明るい藤井九段の言葉だけに、重みがあります。

第27期竜王戦七番勝負第1局-3

駒がぶつかると一気に激しくなるのが、角換わり腰掛け銀の特徴です。
△7五歩も△9五歩も取らないで、攻め合いに出た糸谷七段。
△7五歩が取れないのは素人でもわかりましたが、△9五歩を取らずに攻めたのはプロならでは。
控室では、△7五歩→△9五歩より、順番を入れ替えて△9五歩→△7五歩のほうが良かったのではないかという声も。

第27期竜王戦七番勝負第1局-4

先ほどの図も▲5五角が出てきましたが、今度は王手飛車。
もちろんうっかりではなく、△4四香~△4七香成でバランスを取っています。
厳密にいうと、飛金交換で先手駒得であり、お互いの右桂に働きの差がついているので、やや先手が良いでしょう。

第27期竜王戦七番勝負第1局-5

難解な終盤戦が続く中、攻防に打たれた△4九飛。
これには、格言にもある「大駒は近づけて受けよ」の▲5九歩が手筋でした。
うちにあるソフトだと、このあたりから先手に形勢が振れています。
青野九段が指摘していたように、他の寄せ方もあったそうですが、受けにも利かす△4九飛は森内竜王好みなのかなと感じます。

以下、上部脱出を図る森内玉をきっちり捕まえた糸谷七段の勝ちとなりました。
途中の変化でも投了図でも、3七にいた桂がよく利いていることが分かります。

第2局は森内竜王の先手です。
糸谷七段の後手といえば、一手損角換わり。
森内竜王が受けて立つのか、避けるのか、作戦選択も注目ですね。

第27期竜王戦七番勝負第2局
森内俊之(もりうち・としゆき)竜王 対 糸谷哲郎(いとだに・てつろう)七段
2014年10月30・31日(木・金)
9:00~
<帝国ホテル 大阪>大阪府大阪市北区天満橋1-8-50
立会:桐山清澄(きりやま・きよずみ)九段
解説:畠山鎮(はたけやま・まもる)七段

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第27期竜王戦 七番勝負 第2局初日 森内俊之 竜王 vs 糸谷哲郎 七段

第27期竜王戦 七番勝負 第2局2日目 森内俊之 竜王 vs 糸谷哲郎 七段

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