棋聖戦

第87期棋聖戦五番勝負第3局

将棋羽生善治棋聖に永瀬拓矢六段が挑戦している第87期棋聖戦五番勝負。
第2局は96手で羽生棋聖の勝ちとなりました。
シリーズ成績を1勝1敗とし、タイに戻しました。

では、第2局を振り返りましょう。

第87期棋聖戦五番勝負第2局-1

第2局は永瀬六段の先手番です。
羽生棋聖の2手目△8四歩に、永瀬六段は矢倉を目指しました。
最近の矢倉は▲4六銀の瞬間に△4五歩と追い返すのが主流になっていますが、本局は△5三銀でした。それは▲6八角の一手が入っていないためで、「早囲いの分、損をしている気がした」という羽生棋聖の感想が残っています。
本局は先手の1手得が焦点になります。

 

第87期棋聖戦五番勝負第2局-2

手得をどうやって形勢に結びつけるかですが、永瀬六段の構想は▲5八飛と回って中央から攻めるものでした。
▲6八角と△9四歩が入っている形なら15年くらい前に実戦例があります。その形は先手が避けるようになったと、当時発売されていた本には記されています。

 

第87期棋聖戦五番勝負第2局-3

先手の工夫は、▲6五歩と▲9八香でした。
▲6五歩に対して「全然指されたことがなかったが、指されてみるとなるほどと思った」と、羽生棋聖。
ちなみに、私の持っている当時の本に▲6五歩は書かれており、逆用されるので先手やりづらいとの結論でした。
本譜は△4二銀から△5四金と強く出て、△3七角成と馬を作っていきました。通常であれば攻めの桂馬が守りの金と交換になっているので、先手が良いと見てしまいます。
羽生棋聖の大局観にうなるばかりです。

 

第87期棋聖戦五番勝負第2局-4

激しく駒を取り合い、▲5二飛と攻めを継続させた永瀬六段でしたが、着手の瞬間に後手の好手に気がついたそうです。
その一手とは、△3一飛!
この自陣飛車で先手の攻めを切らすことができそうなので、狭いところに手放してもよいわけですね。
ちなみに羽生棋聖はこの自陣飛車には気がついていなかったようですが、▲5二飛に代えて▲5二金を指摘しており、もしかしたら、無意識のうちに避けていたのかも?と考えるのは邪推でしょうか?

 

第87期棋聖戦五番勝負第2局-5

先手には千日手含みの手段があったそうですが、永瀬六段の選択は▲9九玉の早逃げでした。序盤に指した▲9八香の顔を立てた手ですね。
ここから羽生棋聖の寄せは鮮やか。
守りの金をはがす△6八とではなく、△4五馬から7八の金に狙いをつけたのが急所の一手です。
以下、先手の持ち駒を増やさないように駒得を重ね、△4五馬と攻めだしてからはゆるみない手順でした。

 
1勝1敗となり、シリーズが盛り上がってまいりました。
また羽生棋聖は永瀬六段に初勝利を挙げたと同時に、自身ワーストの連敗を6で止めることになり、大きな1勝と言ってよいでしょう。
次局は羽生棋聖が先手番です。
後手の永瀬六段次第ですが、横歩取りに誘導するのではないかと思われるので、戦型予想は横歩取りとしてみます。
 
 
第87期棋聖戦五番勝負第3局
羽生善治(はぶ・よしはる)棋聖 対 永瀬拓矢(ながせ・たくや)六段
2016年7月2日(土)
9:00~
<沼津倶楽部>静岡県沼津市千本郷林1907
立会:藤井猛(ふじい・たけし)九段
副立会:勝又清和(かつまた・きよかず)六段
記録係:渡辺正和(わたなべ・まさかず)五段

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第87期棋聖戦 五番勝負 第3局 羽生善治棋聖 vs 永瀬拓矢六段
解説:木村一基(きむら・かずき)八段
聞き手:室田伊緒(むろた・いお)女流二段

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