王将戦

第64期王将戦の挑戦者は郷田真隆九段!

渡辺明王将への挑戦権をかけた第64期王将戦挑戦者決定リーグ。
羽生善治名人と郷田真隆九段が同星で並び、そのプレーオフが12月25日(木)に行われました。
結果は114手で郷田九段が勝ち、王将戦初挑戦を決めました。

では、フレーオフの将棋を振り返りましょう。

第64期王将戦挑戦者決定リーグ戦プレーオフ-1

振り駒の結果、羽生名人が先手になりました。
郷田九段の2手目△8四歩に対して、▲6八銀と矢倉へ。
このあたりの進行は定跡形で、実戦例も多くあります。
△2二玉に代えて△5三銀としたのは、先手の▲4六銀を警戒した意味があり、それを見た羽生名人は▲1六歩と端を狙いました。

第64期王将戦挑戦者決定リーグ戦プレーオフ-2

 
先手は雀刺しの形に組んで、▲3五歩から仕掛けていきました。
右香の位置が違いますが、棋聖戦の第2局で先手を経験している羽生名人。
研究があることは間違いないでしょう。

第64期王将戦挑戦者決定リーグ戦プレーオフ-3

3筋で交換をした銀を3六に打ち、その銀で4五の歩を取った局面。
一見、タダのようですが、△同銀には▲7四歩が厳しく、角を逃げると▲5五角の王手飛車があります。
つまり、銀を捨てても大駒が取り返せるので▲4五銀と出ることができる、というわけです。
郷田九段も織り込み済みで、△7四銀とその筋を外してきました。
実に見ごたえのある中盤戦です。

第64期王将戦挑戦者決定リーグ戦プレーオフ-4

 
端を破られて後手の郷田九段が苦戦に見えますが、中央が広いことと、▲3九角の働きが弱いことから、先手が良いとは思います。
しかし、まだまだこれからの形勢です。
郷田九段の△7六桂に対して▲8七玉と上がったのが、突き捨てをとがめた一手。
形勢は難しいながら、気分は良いでしょう。

第64期王将戦挑戦者決定リーグ戦プレーオフ-5

長い間均衡を保っていた将棋ですがここで崩れました。
挟撃体制を築く▲4四歩が基本手筋に見えて、失着。
なぜなら△2三金と銀を取った手が詰めろになってしまったからです。と、簡単に書きましたが、その詰手順はとても長手数。
それを逃さない郷田九段はさすがでした。

郷田九段の王将戦登場は初。
直近のタイトル戦では、第38期棋王戦五番勝負以来の顔合わせとなります。
戦型は相居飛車で間違いないでしょう。
2人の矢倉を熱望します。

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