王将戦

第64期王将戦七番勝負第4局

渡辺明王将に郷田真隆九段が挑戦している第64期王将戦七番勝負。
第3局は146手で郷田九段の勝ちとなりました。
シリーズ成績は郷田九段の1勝2敗です。

では、第3局を振り返りましょう。

第64期王将戦七番勝負第3局-1

後手番の郷田九段は、変化することなく、第1局と同じ2手目△8四歩でした。
第1局は角換わりでしたが、渡辺王将の選択は矢倉。
このお二人の矢倉と言えば、今期A級順位戦が印象に残っています。
その対局の1週間か10日くらい前に行われた電王戦タッグマッチで指された手を、その時解説していた渡辺王将が早速採用、見事勝利しました。

第64期王将戦七番勝負第3局-2

 
郷田九段の△4四銀左が珍しい手で、以下、中央志向の構想が明らかになりました。
そこで指された△5五同銀。
4五の歩がタダです。
渡辺王将は、キッパリと▲4五飛。
読みと読みのぶつかり合う、激しい中盤戦になりました。

第64期王将戦七番勝負第3局-3

 
先手は歩得の代償に、歩越し飛車の悪形を強いられました。これをどう判断するかが、手の進め方に大きく影響してきます。
さらにじっと▲4六歩と角の利きも止めました。
自分の角も使えないけれど、相手の角はもっと使えない、という指し方ですね。
渡辺王将はこのあたり、「模様の良さはあると思ったんですが」という感想でした。

第64期王将戦七番勝負第3局-4

「ここまで来ると悪くなってますね」と言う渡辺王将。
ソフトもこの形勢判断は感知できたようで、先手が200点前後で推移していたのが、0点の辺りまで下がりました。
先手は2歩得ながら、駒の働きが悪く、手番をもらった時に何ができるのか?という局面のようです。

第64期王将戦七番勝負第3局-5

郷田九段がやや優勢になった終盤戦。
トッププロらしい緻密な手順が続いており、ソフトを使いながら鑑賞をしていました。
そのソフトが、後手優勢の終盤戦で、唯一互角と評価した局面がこの△6一香でした。
ソフト曰く、実戦の▲5三金ではなく、▲5三歩成で先手もやれるとのこと。
ニコニコ生放送に出演されていた畠山七段も、△6一香があって後手がいいというニュアンスの解説でした。
プロが一目のこの一手、ソフトには違う風に映るようです。

待望の1勝挙げた郷田九段。
相居飛車では辛いとされている後手番での勝利ですし、前局も終盤戦は優勢でした。
ここから反撃開始、ですね。
戦型は、角換わりなどの相居飛車が本命ですが、流れが悪いと見れば渡辺王将の振り飛車もあり得るかもしれません、と、予想します。

第64期王将戦七番勝負第4局
渡辺明(わたなべ・あきら)王将 対 郷田真隆(ごうだ・まさたか)九段
2015年2月16・17日(月・火)
9:00~
<浦和ロイヤルパインズホテル>埼玉県さいたま市浦和区仲町2-5-1
立会:佐藤義則八段
副立会:阿久津主税(あくつ・ちから)八段
記録係:増田康宏四段

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第64期王将戦 七番勝負 第4局 初日 渡辺明王将 vs 郷田真隆九段

第64期王将戦 七番勝負 第4局 2日目 渡辺明王将 vs 郷田真隆九段
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