森内俊之竜王に糸谷哲郎七段が挑戦している第27期竜王戦七番勝負。
第3局は132手で森内竜王が勝ちました。
シリーズ成績は、森内竜王の1勝2敗です。
では、第3局を振り返りましょう。
第3局は糸谷七段の先手。
2手目△8四歩に対し、迷うことなく角換わりに進めました。
森内竜王の対抗策は、先後同型。
この定跡は先手有利とされている形で、糸谷七段もそれほど時間を使わず▲4五歩と仕掛けました。
2筋の突き捨てを入れなかったのが、糸谷七段の工夫。
後でも入るということです。
対する森内竜王も負けじと攻め合いの順を選び、激しい戦いに。
ちなみにこの指し方は、似た形で中田宏樹八段が指しはじめたとされています。
難解な形勢のまま突入した終盤戦。
ソフトによると、ここで一瞬形勢が大きく振れました。
感想戦でも指摘されていた△8七桂を示し、後手良しというのです。
以下の変化は中継サイトに譲りますが、香車を取っておき、変化によっては打歩詰回避をしながら先手玉を詰ましてしまおうという狙いがあるそうです。
一手前の△4四金は怖い受け。指している相手が森内竜王なので、これもあるのかと思ってしまいそうです。
数の攻めの基本に則った打ち込みですが、打つ駒は角のほうが良かったとのこと。
△同桂▲同銀不成で、変化はあるものの寄り筋でした。
それでも先手が優勢なままで進んだこの局面。
△7七銀不成が詰めろで入り、ここで逆転したようです。
▲4五角から6七の金は取れますが、それでも詰めろがほどけておらず、後手の勝ち。
糸谷七段は、この筋をうっかりしたとのことです。
一手前の△8七歩には、▲同馬と清算しておけば、「制約が大きい」(森内竜王)ので、まだまだ大変な将棋でした。
この将棋を勝ち、1勝を返した森内竜王。
後手番で劣勢な局面を逆転勝ちして、個人的には流れはまったく分からなくなったと感じます。
次局は森内竜王の先手番。
せっかくなので、全局角換わりで最新研究を見てみたいです。
第27期竜王戦七番勝負第4局
森内俊之(もりうち・としゆき)竜王 対 糸谷哲郎(いとだに・てつろう)七段
2014年11月20・21日(木・金)
9:00~
<葛城 北の丸>静岡県袋井市宇刈2505-2
立会:大内延介(おおうち・のぶゆき)九段
解説:飯塚祐紀(いいづか・ひろき)七段
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第27期竜王戦 七番勝負 第4局初日 森内俊之 竜王 vs 糸谷哲郎 七段