倉敷藤花戦

里見香奈女流三冠が倉敷藤花を奪取!

甲斐智美倉敷藤花に里見香奈女流三冠が挑戦していた第23期倉敷藤花戦三番勝負。
第2局は132手で里見女流三冠の勝ちとなりました。
シリーズ成績を2連勝とし、倉敷藤花のタイトルへ復位しました。

では、第2局を振り返りましょう。

第23期倉敷藤花戦三番勝負第2局-1

第2局は甲斐倉敷藤花の先手番です。
3手目▲7五歩と石田流を明示した手に対して、後手の里見女流三冠は△4二玉と角交換をしないタイプの戦いを指向しました。
今ではあまり見られなくなった二枚銀急戦。
7筋の歩を銀で交換して△8三銀と引き、棒金の指し方を銀でやる手法です。
棒金と違い玉が堅いので、振り飛車側も仕掛け周辺の一手一手が重要になります。
前例としては今年の女流王将戦で里見女流三冠ご自身が指されているそうです。

 

第23期倉敷藤花戦三番勝負第2局-2

 
後手の攻め駒を見ていただくとお分かりいただけるように、狙いは押え込みです。
しかし、先手の▲6五銀がそれを打ち砕く強手で、この辺りでは先手成功が明らかになってきました。
後手は△8四銀の働きが弱く、これが痛いです。

 

第23期倉敷藤花戦三番勝負第2局-3

前の図から数手進んだ局面で、ソフトが面白い手を示しました。
それはこの局面で▲5四歩というものです。
飛車をタダで取らせてしまいますが、▲5三銀と打ち込んでいけば、駒損を回復できそうです。また、と金ができれば、攻めが切れることはありません。
こうなると、端を詰められたことも、後手の飛金銀が遊んでいることも、先手の玉が堅いことも、すべて先手良しの要因になっていることが分かります。

 

第23期倉敷藤花戦三番勝負第2局-4

局面は駒得で玉の堅い先手が優勢になっています。
頃は良しと飛車を逃げずに決めに行った甲斐倉敷藤花。
ところが、以下の進行を見ると、ここは冷静に逃げたほうが良かったそうです。
上図に比べて、後手玉が広く、先手玉に綾がついていることなどから、ここがタイミングではないということでしょう。

 

第23期倉敷藤花戦三番勝負第2局-5

先手は飛車を見切った代償にと金と作りましたが、小駒だけの攻めなので、やや細いといえます。
そこで空いた3四のスペースに打った△3四角が、4三の地点に利かしながら△1六桂を見せた攻防手です。
このあたりでどうも後手が逆転したようです。
以下、延々と続く1分将棋の中て攻めをつなごうとする甲斐倉敷藤花でしたが、里見女流三冠の巧みな指し回しが上回り、後手の勝ちとなりました。
△1六桂と王手が入ってからは、一気に危険になった美濃囲い。玉にヒモがついていないとこうなるという典型的な例と言えそうです。

 
里見さんはこれで女流四冠に復帰となります。
通算獲得女流タイトルが20期となり、歴代2位の記録です。
倉敷藤花は第20期以来、通算6期目の獲得となります。
奨励会との掛け持ちのなか、今年度女流棋戦の勝率は9割越えと驚異的な勝ちっぷり。
インタビューで「女流棋戦の全制覇という期待も高まります」という質問があったそうで、それを実現してもおかしくないと思わせる結果ですね。
体調が気になるところですが、今は安定しているということで、とりあえずは大丈夫そうです。

里見女流三冠、倉敷藤花奪取おめでとうございます!

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