正解図
解説
居飛車の舟囲いをどう崩すか?がテーマですが、単純な△4八龍では▲5八歩と受けられて寄せ切るのが難しくなります。
正解は駒損を恐れずに金をはがす△6八馬です。
図1から▲7八玉と逃げるくらいですが、△5六金▲同銀△同龍(図2)とすると、囲いが崩れています。
図2の局面は、正解図から比べて駒得をしている、4枚の攻めになった、居飛車の守り駒がない、自玉が手つかず、などを考慮すると振り飛車が勝勢です。
試しに、うちのコンピュータソフト(Dolphin)に入れてみると、評価値は2000点以上で振り飛車良しとの判断でした。
ほかの手段としては、△5七角(図3)もありそうです。
生徒さんが指した手で、角金交換でも玉の囲いを薄くしようという発想でとても良いです。
実戦は△5七角に対して▲6九香と受けられて、寄せるのに苦労する局面になりました。
振り飛車の有利には変わりありませんが、一手の攻めに一手の受けを許すので、正解の△6八馬からの相手に受ける手番すら渡さない攻めの方が明解でしょう。
この問題のポイントは、
- 3一の金を取らせている間に、相手玉に迫りたい
- 終盤戦は、多少の駒損より相手玉を薄くする得を取りに行くケースもある
- 同じ攻めなら、相手に手番を渡さずに連続技で攻められる方を選ぶ
でした。