棋聖戦

第87期棋聖戦の挑戦者は永瀬拓矢六段に!

4月28日(木)に第87期棋聖戦挑戦者決定戦が行われました。
挑戦者決定戦に進出したのは村山慈明七段と永瀬拓矢六段です。
結果は116手で永瀬六段の勝ちとなりました。

では、挑戦者決定戦を振り返りましょう。

第87期棋聖戦挑戦者決定戦-1

振り駒の結果、先手は村山七段に決まりました。
3手目▲2五歩と飛車先を決める指し方で注文を付けた村山七段。対する永瀬六段は居飛車模様の駒組みを進め、戦型は角換わりになりました。
△9四歩を保留して△7三桂と跳ねたのが後手番でも攻勢を取る狙いで、成立するかどうかの結論は未だ不明です。
村山七段は▲6八金右と仕掛けに備え、それを見た永瀬六段も△9四歩と力を貯めて、プロらしい間合いの取り合いをしているように感じられました。

 

第87期棋聖戦挑戦者決定戦-2

角換わり腰掛け銀で必ず押さえたい定跡といえば木村定跡で、本局もよく似た形が出てきました。手順が違うため先手必勝とはなりませんが、▲6八金右が入っているとどう違うのかは興味深いところです。
後手からの攻めとして自然に見えた△6五桂が永瀬六段いわく「暴発」。
村山七段がペースをつかみます。

 

第87期棋聖戦挑戦者決定戦-3

先手は桂馬を持って▲2六桂が3四と端をにらんで好点の桂打ちになります。しかし、すぐ取りに行く▲6五銀右(直も同じ)では、清算の後△8五飛と王手銀取りがあるので、駒損になってしまいます。
そこで、6五の桂馬に守りの桂馬をぶつけていった▲7七桂が好着想でした。守りの桂馬を攻めの桂馬にぶつけていく指し方は矢倉の後手番で時折見られます。村山七段も「感触はよかったですね」と、感想戦でおっしゃっています。
後手としては△6五桂としなければこうはならなかったわけで、暴発、という表現も納得です。

 

第87期棋聖戦挑戦者決定戦-4

 
後手も△3八銀と打ち、飛車をそらすことで攻めを緩和しました。その流れで△2五歩と攻め駒を責めに行きます。▲2五同桂には△8五飛が王手桂取りという狙いですね。
そこで放たれた▲6五歩が前述の筋を消しながら好点の角に働きかける好手。永瀬六段も「痛かった」と、おっしゃっています。

 

第87期棋聖戦挑戦者決定戦-5

やや先手ペースの終盤戦になりました。
▲3四桂と金の連結を外し、▲4一銀と守りの金に狙いをつけていった村山七段。寄せのセオリー通りです。
ところが、この▲3四桂が「やりすぎでした。(村山七段)」というのですから、将棋は難しいものです。この後の展開を考えると、桂損した代償に見合う寄せになっているかは微妙でした。
感想戦では代わりに単に▲4一銀が有力とされ、この変化なら先手がやれるそうです。

 
難解な終盤戦を永瀬六段が抜け出し、挑戦権を獲得しました。

永瀬六段はタイトル戦初登場になります。
挑戦者決定戦は3回目で「3度目の正直」ですね。
羽生棋聖との対戦成績は、3戦3勝と負けなしの永瀬六段ですので、白熱した五番勝負になりそうです。

第87期棋聖戦五番勝負の日程は下記の通りです。

第1局 6月3日(金) 兵庫県洲本市「ホテルニューアワジ」
第2局 6月18日(土) 愛知県豊田市「ホテルフォレスタ」
第3局 7月2日(土) 静岡県沼津市「沼津倶楽部」
第4局 7月13日(水) 島根県・隠岐の島「羽衣荘」
第5局 8月1日(月)  新潟市「高島屋」

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