渡辺明王将に郷田真隆九段が挑戦している第64期王将戦七番勝負。
第2局は156手で渡辺王将の勝ちとなりました。
シリーズ成績は渡辺王将の2連勝です。
では、第2局を振り返りましょう。
渡辺王将の2手目△8四歩に対して、郷田九段は角換わりへ。
今月19日に行われた朝日杯将棋オープン戦でも角換わりで戦っており、どうやら今期は角換わりシリーズになりそうな予感がします。
ちなみに、角換わりにに向かう手順の4手目、渡辺王将は△3二金に対して、郷田九段は△8五歩を選びます。
ちょっとしたところですが、世代の違いを感じます。
角換わりの△6五歩型は、先手が仕掛けを模索する展開になります。
基礎知識として、図の局面で先手が仕掛けるとうまくいかず、パスして相手に何か指させたいのです。
例えば、△4二金引や△3一玉型なら、先手から仕掛けてまずまずの局面になります。
ここからパス合戦の始まりです。
上の図から34手進んだ局面。
違うのは、お互いに4筋の歩を手持ちにしただけです。
ここから郷田九段は、「どうかなと思っていた」▲4七銀で打開しました。
対する渡辺王将は、「引かれてからは苦しい」との感想。
前局も▲4七銀が新手でしたが、お二人の感想を聞く限り、今回もこれが良かったようですね。
千日手狙いから攻め合いに方針を切り替えた渡辺王将。
激しい攻め合いの中、▲3三桂成に対して、玉を固める△3三同金寄を選びました。
玉の堅さを重視する渡辺王将らしいと言えばらしいのですが、後の▲4五歩で角が取られてします。
仕方ない変化だったそうです。
郷田九段がやや優勢で進めていた終盤戦。
2手前の局面で▲4一角と詰めろ逃れに角を打っておけば、先手がやれる将棋とのこと。
単に受けた▲3八銀が敗着となりました。
そして、この局面で多くの将棋ファンが悲鳴を上げたことでしょう。
第3局は郷田九段の後手番です。
連敗で、次局までそれほど日がありません。
どう巻き返してくるか、注目の一局となりそうです。
第64期王将戦七番勝負第3局
渡辺明(わたなべ・あきら)王将 対 郷田真隆(ごうだ・まさたか)九段
2015年1月29・30日(木・金)
9:00~
<ホテル花月>栃木県大田原市黒羽向町2
立会:中村修(なかむら・おさむ)九段
副立会:佐藤秀司(さとう・しゅうじ)七段
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第64期王将戦 七番勝負 第3局 初日 渡辺明王将 vs 郷田真隆九段