渡辺王将に羽生三冠が挑戦していた、第63期王将戦七番勝負。
第7局は110手で渡辺王将が勝ちました。
シリーズ成績を4勝3敗とし、渡辺二冠が王将位を防衛しました。
第7局は振り駒の結果、羽生三冠が先手に。
相居飛車を予想していましたが、後手の渡辺王将がゴキゲン中飛車に振りました。
対する羽生三冠、超速▲3七銀から、穴熊へ。
羽生三冠の超速▲3七銀戦法は、穴熊より2枚銀のほうが多い印象があって、珍しく感じました。
(パッと思いつくだけで、第61回NHK杯の羽生・戸辺戦、同羽生・阿久津戦、第52期王位戦第3局の羽生・広瀬戦など)
相穴熊の戦いから、羽生三冠が先攻する展開に。
小競り合いと思われた△7五歩の対応が、実は大きな勝負所だったそうです。
結果的には、取り込ませた△7六歩が、後に出てくる△5五角と連動して存分に働きました。
この組み合わせは第51期王位戦挑戦者決定戦、広瀬・羽生戦を連想させます。
(その対局は、▲3四歩と▲5五馬の組み合わせでした)
やはり、角のラインとそれを生かす歩の拠点は強力なんだなと感じる一局でした。
これで、渡辺王将は二冠堅持です。
勝負将棋で、後手で、振り飛車で、羽生三冠に勝ったというのは、渡辺二冠にとって大きな1勝になるような気がします。
これで今年度のタイトル戦はすべて終わりました。
竜王以外は保持者が防衛という結果に。
やはり、タイトル保持者の壁は厚いということですね。
ここに風穴を開けるのは誰か。
来年度のタイトル戦も楽しみですね。