羽生善治王位(名人・王座・棋聖)に木村一基八段が挑戦している第55期王位戦七番勝負。
第3局は178手で持将棋となり、引き分けとなりました。
では、第3局を振り返りましょう。
先手となった羽生王位は、木村八段の2手目△8四歩に対して、角換わりを目指しました。
矢倉もそうですが、角換わりも先手の攻め、後手の受け、となりやすい傾向があります。
この▲6八金右は、金を寄せて自然に見えますが、将来△5九角があるので一長一短の指し方です。
前例から離れた▲6五歩は、と金を作る狙いがありました。
ところが、後手にうまく立ち回られて、その歩を取られることに。
局面としては、先手の桂損で素人目には劣勢と感じます。
その損を補う攻めの手段があるかどうか、が焦点です。
後手玉が入玉を果たし、先手がどうするか?という局面。
実戦は▲5四歩と銀を取りに行きましたが、▲2二竜とまわって寄せを目指すほうが勝ったとのこと。
本譜は銀を取りに行っている間に後手玉が安全となり、持将棋成立となりました。
持将棋になると通常の対局では指し直しになりますが、タイトル戦の番勝負では引き分けとなります。
次局は『第4局』となり、第7局終了時に3勝3敗なら第8局が行われることになります。
持将棋という結末は、誰も予想していなかったでしょう。
第4局の戦型予想は、木村八段が先手なので、矢倉と予想します。
第55期王位戦七番勝負第4局
羽生善治(はぶ・よしはる)王位 対 木村一基(きむら・かずき)八段
2014年8月20・21日(水・木)
9:00~
<ホテル日航福岡>福岡県福岡市博多区博多駅前2-18-25
立会:深浦康市(ふかうら・こういち)九段
副立会:畠山鎮(はたけやま・まもる)七段
記録係:斎藤慎太郎(さいとう・しんたろう)五段
大盤聞き手:鈴木環那(すずき・かんな)女流二段
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