マイナビ女子オープン

第10期マイナビ女子オープン五番勝負第2局

加藤桃子女王に上田初美女流三段が挑戦している第10期マイナビ女子オープン五番勝負。
第1局は119手で加藤女王の勝ちとなりました。

では、第1局を振り返りましょう。

第10期マイナビ女子オープン五番勝負第1局-1

振り駒の結果、先手番は加藤女王となりました。
初手▲2六歩から飛車先を決めた加藤女王に対して、上田女流三段はゴキゲン中飛車にしました。
この▲4五銀は直近のタイトル戦では棋王戦第3局でも指されており、結果は先手の勝ち。
それを踏まえて採用ですので、新研究が見られるかもしれません。

 

第10期マイナビ女子オープン五番勝負第1局-2

棋王戦第3局は角を△4四角と上がりましたが、本局は△2二角と引きました。
現地には金井五段がいらっしゃったそうで、NHK杯で久保九段相手にこの局面を迎え、▲2五歩と打ち、結果は先手勝ち。
うちのソフトは▲3八金と飛車交換にあらかじめ備えておいて先手が指しやすいとの判断でした。
いろいろ手があるもので面白いですね。

 

第10期マイナビ女子オープン五番勝負第1局-3

本局は前図から▲3五歩△3三歩と進み、飛車交換になりました。
先手は2六の飛車をさばきたいけれど、横利きが消えると7六の歩を取られてしまいます。
それを守るべく使った駒は4九にいた金。この金が▲5七金~▲6六金と玉頭を守る手厚い金に早変わりしました。
一方後手も、3筋にいる駒をほぐす余裕を得て、ひとまず安心と言えそうです。

 

第10期マイナビ女子オープン五番勝負第1局-4

先手は玉頭を手厚く守ったので、次は飛車のさばきを考えることになります。
加藤女王は端的に▲2四成銀と前進しましたが、イマイチだったようです。なぜなら△5三角と弱くなった3五のマス目を攻められてしまったからです。
変わる手も難しいところですが、代案としては▲3四歩~▲3五成銀や、▲7七桂~▲5四歩~▲4五桂のように中央から殺到する手段もあったようです。

 

第10期マイナビ女子オープン五番勝負第1局-5

先手が成銀を動かしたことによって空いた3五のマス目に角を飛び出し、後手もまずまずの形勢です。
その角に▲2五飛と当てられたのが図の局面。
ここでは△6八角成~△3四銀という手段があり、先の▲2四成銀からの攻めがイマイチだった理由がはっきりします。
実戦はここで△2三金と勝負手を放った上田女流三段でしたが、冷静に▲3五飛と角の方を取られ、先手に駒得を許してしまいました。

以下、先手は愚形だった▲8八角と▲7七桂を▲6五桂~▲4四角とさばき、後手玉を寄せ切りました。勝ち将棋鬼の如しですね。

「1局目は完敗でした。」とTwitterにつぶやかれた上田女流三段の巻き返しに期待です。
同じくTwitterに「割と前向きに指せました。」とつぶやかれた加藤女王。次局以降も目が離せません。
戦型予想は、先手になった上田女流三段が中飛車にすると予想します。
 
 
第10期マイナビ女子オープン五番勝負 第2局
加藤桃子(かとう・ももこ)女王 対 上田初美(うえだ・はつみ)女流三段
2017年4月20日(木)
<明治記念館>東京都港区元赤坂2-2-23
立会:藤井猛(ふじい・たけし)九段
記録係:塚田恵梨花(つかだ・えりか)女流2級

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