女流王位戦

第26期女流王位戦五番勝負第3局

甲斐智美女流王位に里見香奈女流名人が挑戦している第26期女流王位戦五番勝負。
第2局は139手で里見女流名人の勝ちとなりました。
シリーズ成績を2連勝とし、女流王位奪取まであと1勝としました。

では、第2局を振り返りましょう。

第26期女流王位戦五番勝負第2局-1

 
第2局は里見女流名人の先手です。
3手目▲7五歩と石田流を指向すると、甲斐女流王位も△3五歩と突き、相三間飛車になりました。
ここまでは前例2局があり、いずれも里見女流名人が絡んでいます。
1局目は第34期女流王将戦三番勝負第2局、2局目が第40期女流名人位戦五番勝負第2局です。

第26期女流王位戦五番勝負第2局-2

 
角交換をした相三間飛車は、手の作り方が難しいとされています。
それを象徴するかのように、6二に上がった金を引いた甲斐女流王位。
この後、また6二に上がり直して2手損となりますが、仕掛けの権利を得たのは後手。
何とも難しい駆け引きです。

第26期女流王位戦五番勝負第2局-3

手損をしても、仕掛けを得た甲斐女流王位。
角銀交換から△1八銀と打ち込んで、気分は良いでしょう。
ここで、△2九銀不成~△3四桂が感想戦で指摘されたそうです。
以下の変化は棋譜コメントにお任せしますが、(1)の変化で△4八成桂を△4七金に代えると、ソフトは後手良しと言います。
棋譜コメントにない受け方もあるでしょうか、一つの攻め筋として成立していた可能性がありますね。

第26期女流王位戦五番勝負第2局-4

 
一本突き捨てを入れた里見女流名人。
ここで、△2九銀不成を入れるチャンスだったと甲斐女流王位は言います。
角香交換で龍を作る展開となり、これはこれで難しいところですが、この後の展開を考えると、そうおっしゃるのもうなづけます。

第26期女流王位戦五番勝負第2局-5

難解な終盤戦ながら、先手が攻め、後手が辛抱する展開となっています。
ここで、△7四同銀としたのが敗着となってしまいました。
以下、5九の飛車を成ることができては、さすがの甲斐女流王位でも受け切れません。
ここでは、△2五桂と攻め合うのが良かったそうです。
投了図では後手の銀が1八に残っており、「銀が泣いている」と表現しては、少々オーバーでしょうか。

接戦を制した里見女流名人が連勝を決め、女流王位奪取まであと1勝となりました。
途中、攻める展開でリードを奪えそうな局面もあっただけに、甲斐女流王位にとっては悔やまれる1戦となってしまいました。
第24期はこの二人の顔合わせでフルセットまで行きましたので、今期もそうなることを期待したいです。
戦型予想は、甲斐女流王位が先手で飛車を振ると予想します。

第26期女流王位戦五番勝負第3局
甲斐智美(かいともみ)女流王位 対 里見香奈(さとみかな)女流名人
2015年5月27日(水)
9:00~
<旧伊藤伝右衛門邸>福岡県飯塚市幸袋300番地
立会:畠山鎮(はたけやま・まもる)七段

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